入手が難しい本を読みたいとき、貴方はどうするだろうか。
古書店で探す。
地元の図書館で借りる。
都立図書館や国会図書館で閲覧する。
方法はいくらでもあるだろう。
では、ゲームをプレイしたいときは?
残念ながら、中古店に頼るしか術がないのである。もしも新品が品切れ、中古店にも在庫がなければ、断念せざるを得ないだろう。
そして、本は自由なタイミングで読むことができる物である。デジタル化されている古い本であれば、現物にアクセスしなくともPCで閲覧することもできる。
しかし、ゲームはそうはいかない。ゲームをプレイするには対応機種が必要である。PSVitaのソフトはPSVita本体がなければ無用の長物となるし、PCソフトであれば対応OSの問題が立ち塞がる。古いゲームをプレイしたいと思っても、なかなか気軽に手に取ることはできない現状だ。
また、個人の技量の問題なのだが、自分はバトルアクションがあるゲームやシュミレーションゲームをまったくプレイできない人間だ。テキストを読み進めるうちに結末に到着するノベルゲームでないと楽しめない。
主人公ボイスがない作品やパートボイスの作品、シリーズものも難しい。
今回はそんな興味はあるが、諸事情で手に取れないゲームの話をしたいと思う。
2012年9月20日発売。全年齢乙女ゲーム(PSP)。CEROレーティングはB(恋愛、暴力、犯罪)。
平安の世を舞台に、玉依姫のヒロインと「罪」を背負った者たちの運命を描く作品。
美麗なキャラクターデザインと和風の世界観が魅力的で、公式サイトのあらすじを読めば読むほどプレイしたい衝動に駆られる。
何より黒田崇矢さんが攻略対象の胡土前を演じている。
おじさんの攻略対象は貴重だ。子持ちだったらなお良い。
PSP本体を所有していないため断念したが、PCに移植したらプレイしたいので、オトメイトには期待している。
②『悠久ノ桜』(オトメイト)
2007年9月27日発売。全年齢乙女ゲーム(PS2)。CEROレーティングはB。
高校二年生のヒロインが室町時代・江戸時代・大正時代を往復するタイムスリップもの。
キャストクレジットのトップバッターに成田剣さんのお名前があるという珍しい作品。さらに、主人公より年上の攻略対象を演じることが多い成田剣さんだが、本作ではヒロインの同級生を演じている。2020年現在ではまず見かけない設定である。
PC移植版を待っている。
③『仁義なき乙女&恋恋三昧』(美蕾)
2012年12月14日発売。18禁乙女ゲーム。
ヤクザの次期組長になった女子高生と裏社会の男性たちの恋愛ストーリー。
こちらは青島刃さん出演作品。青島さんが演じるキャラクターはクールな保険医で、ヒロインより年上かつマフィアと関わりがある人物。青島さんの声にぴったりのキャラクターだ。プレイしたらきっと好きになる。
美蕾が活動停止したため現在入手困難だが、縁があったらプレイしたい。
④『SNOW BOUND LAND』(オトメイト)
2013年11月21日発売。全年齢乙女ゲーム(PSP)。CEROレーティングはB(恋愛)。
アンデルセンの童話『雪の女王』をモチーフにしたファンタジー作品。
乙女ゲーム『絶対迷宮 秘密のおやゆび姫』を契機にアンデルセン童話にはまったのだが、こちらのゲームではどのようにアンデルセン童話を料理しているのか興味が湧いた。
キャラクターデザインやスチルは美麗で、キャラゲーとしても楽しめそうな印象を受ける。
⑤『TRICK×LOGIC Season2』(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
2010年9月16日発売。ヒラメキ発見ミステリ・ノベル(PSP)。CEROレーティングはC(暴力)。
実力派推理小説家である黒田研二、竹本健治、大山誠一郎、綾辻行人、有栖川有栖、我孫子武丸がゲームシナリオを手掛けたミステリゲーム。
推理小説、なかでも有栖川有栖先生のファンとしては、綾辻行人先生と有栖川有栖先生の合作シナリオ「Yの標的」が気になるところである。
太陽に祈りを捧げる儀式の最中、太陽を神と崇める宗教団体「拝陽」の二代目教祖が撲殺された。儀式の舞台となった中庭には鍵がかけられており、被害者のほかに側近である二人の信者が中庭にいた。二人のうちのどちらかが犯人なのか?
あらすじを読むだけでわくわくする。密室トリックをどのように暴くのだろう。建物に構造上の問題があるのか、関係者の証言に虚偽があるのか。ゲームならではのトリックが仕掛けられているのだろうか。
⑥『Rance5D ひとりぼっちの女の子』(ALICESOFT)
2002年10月25日発売。18禁ゲーム。ランスシリーズの五作目。
パッケージの女の子が好みのタイプ。
しかし、ランスシリーズを一作もプレイしたことがない上に、戦闘しなければならないシステムのようで、尻込みしている。戦闘スキップ機能があればプレイできるが……。
ランスシリーズのファンサイト「ひつじ小屋別館」の情報によれば、パッケージの少女は悲惨な生い立ちとのこと。興味はある。
⑦『月光のカルネヴァーレ』(NitroPlus)
2007年1月26日発売。18禁ゲーム。
イタリア風の都市を舞台に、人狼の主人公と自動機械人形の少女がマフィア組織の抗争に巻き込まれるゴシックノワール作品。
マフィア、犯罪、自動機械人形……と好みの要素が揃っており、体験版の手応えも良かった。
現在新品は入手困難。中古で購入するか、NitroPlusの再販を待つか、迷っている。NitroPlusは『sweet pool』Windows10対応版を発売した一年後にリマスター版を発売した企業だ。待っていれば最新OS対応版を出すのではないかと淡い期待を抱いている。
⑧『僕は天使じゃないよ。』(130cm)
2005年4月28日発売。18禁ゲーム。
大正末期から昭和初期の東京を舞台にした懐古調SMノベル。
罪と罰のモチーフや宗教を取り入れた作風が魅力的な一作。救済を願いながら己の身を捧げるシスターが登場するらしいのだが、彼女にどのような救いが与えられるのか興味がある。考察ゲーとしても楽しめそうだ。
⑨『屠殺の園』(Catear)
2007年4月27日発売。18禁ゲーム。
「屠殺の園」と呼ばれる戦士製造の練兵場で、女装少年と両性具有者が絡み合うストーリー。
メタ要素がある作品。感想レビューやwikiでネタバレを読んだ。男×男だが、BLゲームには分類されない理由に納得。
『君と彼女と彼女の恋。』のネタバレを読んだときも思ったのだが、エロゲユーザーは第三者視点で主人公×ヒロインの恋愛を見守るのではなく、自分×ヒロインのつもりでプレイしているのだろうか?ヒロインのルートを攻略することを「ヒロインを消費する」と評する感覚は夢女子に似ていると思う。
ちなみに、自分はエロゲのヒロインは主人公の彼女で、乙女ゲームの攻略対象はヒロインの彼氏で、BLゲームの攻略対象は主人公の彼氏と認識している。「ヒロインと彼氏はずっと幸せでいてほしい」と保護者視点で感動したり、「攻略対象はヒロインを選んだけど、サブ女性の方が良いと思う」と女性の趣味が真逆で憤慨したりしている。
自分にない見方を提示してくれるメタフィクションものは勉強になる。
⑩『吉原彼岸花』リパッケージ版
この世に存在しないゲーム。
四ツ谷サイダーさんが現役でいるうちに、四ツ谷さん演じる辰吉の18禁シーンとハッピーエンドを追加したバージョンを制作してほしい……。傘持ちの肉体派・辰吉が幸せにならない限り、私の『吉原彼岸花』は完結しない。
他には、『すみれの蕾』や『沙耶の唄』、『SWAN SONG』、『媚肉の香り~ネトリネトラレヤリヤラレ~』、『大迷宮&大迷惑-GREAT EDGES IN THE ABYSS-』、『ALPHA-NIGHTHAWK』、『ラストエスコート2~深夜の甘い棘~』など。評価が高い作品揃いなので、自分の心に何かしら残るものはあると思うのだが、入手困難だったり心理的ハードルが高かったりする。
自分の人生にとって意味がある作品は、いずれ出会う機会もあるだろう。気長にいつかプレイできる日を待っている。