路傍の感想文

創作物の感想

ゲーム『仁義なき乙女&恋恋三昧』灰谷仁ルート感想

「持てない荷物なら、降ろせ。それが嫌なら……」

「誰かに分けろ」

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小泉沙紀は、ごく普通の女子高生。ある日、沙紀の前に、暴力団「虎桜組」の若頭・那由多龍が現れる。彼は、急死した先代組長の娘である沙紀を、次期組長として迎えに来たという。

美蕾より2012年12月14日発売。2007年発売の『仁義なき乙女』と2008年発売の続編『仁義なき乙女 恋恋三昧』の二作同梱版。

現代日本を舞台に、ヤクザの次期組長になった女子高生と裏社会の男性たちの恋を描く18禁乙女ゲーム

 

小泉沙紀(演:設楽とうこ)は、桜学園の学生。平凡な家庭で育ち、ごく普通の学園生活を送っている。

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そんな彼女の前に、ある日突然、関東一の暴力団「虎桜組」の若頭・那由多龍(演:仲達)が現れる。彼は、急死した先代組長の娘である沙紀を、次期組長として迎えに来たという。

生き別れの父が極道だと知らなかった沙紀。しかし、反論する間もなく、「虎桜組」組長に祭り上げられてしまう。

かくして、女子高生と組長の二重生活が始まるが……。

 

 

共通ルート前半は、ヤクザのドタバタ生活を描いたコメディ。

「虎桜組」の組員たちは厳つい顔の男たちだが、人柄はお茶目。「お嬢」である沙紀の関心を引こうとするが空回りばかり。彼らの引き起こす騒動に巻き込まれながら、沙紀は慣れないヤクザ生活を乗り越えていく。

中盤以降は、敵対する暴力団「龍蓮会」との抗争が始まり、物語はシリアスな方向へ。

 

攻略対象は、「虎桜組」の若頭・那由多龍(演:仲達)、インテリ派ヤクザ・朝生義之(演:先割れスプーン)、沙紀のクラスメイト兼「虎桜組」の準構成員・天音京吾(演:空野太陽)、沙紀の担任教師兼刺青師・武藤一郎(演:風間瞬)、保健医・灰谷仁(演:青島刃)、刑事・喜多川戴正(演:子太明)、の計六名。

 

今回プレイした灰谷ルートは、保険医でありながらヤクザの治療も請け負う闇医者・灰谷先生との恋愛ストーリー。

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灰谷仁は沙紀の学校の保険医。沙紀が普通の学生だったころからの顔馴染みである。組長に就任し、ヤクザ稼業を手伝う最中、沙紀は灰谷の裏の顔を知る。医師免許を持つ灰谷は、普通の病院を受診できないヤクザたちのために治療を請け負っていたのだ。

さらに、クールで冷たい印象の灰谷が捨て犬の世話をする姿を目撃する。灰谷は人にも動物にも優しく、困っている相手を放って置けない性格だったのである。

沙紀は灰谷と協力して「チャーミー」と名付けた犬のお世話をすることに。

 

GOODENDは三種類。

 

GOODEND「手を取り合って」

「虎桜組」と「龍蓮会」の抗争を描くエンディング。

沙紀の組長稼業を支えてくれていた「虎桜組」若頭・那由多。ところが、ある日突然、那由多は「龍蓮会」に寝返ってしまう。「虎桜組」と「龍蓮会」の小競り合いの最中、「チャーミー」は「龍蓮会」の構成員に噛み付くが、返り討ちにされてしまう。

「チャーミー」を動物病院へ連れて行った沙紀と灰谷。幸い、「チャーミー」の怪我は重症ではなかった。

沙紀は高校を卒業したら看護学校に進学し、灰谷を支える看護師になると決める。

 

END「私の進む道」

抗争が起きない平和な学園生活を描くエンディング。

「今はまだ私には何もできないけど、でもいつか、先生の抱える沢山の荷物を、少しでも私が支えられるようになりたいんです」

もっと灰谷のお手伝いをしたいと決意した沙紀は、高校を卒業後、短大の看護科に進学。卒業後は灰谷と結婚し、彼の病院で働き始める。二人はヤクザ稼業から足を洗い、普通の医者と看護師として幸せに暮らすのだった。

 

END「恋人宣言」

「私の進む道」から派生。先生の秘密が判明するエンディング。

灰谷には恋人がいると思い込んだ沙紀。ある日、灰谷の後を追うと、病院に辿り着く。灰谷はお世話になった人(故人)の婚約者・東山時子のお見舞いをしていたのである。

無事灰谷の恋人となった沙紀は時子の病室を訪れる。時子の口から研修医時代の灰谷の秘話を聞くのだった。

 

 

続編『恋恋三昧』は、アフターストーリーと本編とは異なる時間軸から始まるアナザーストーリーを収録。

 

本編アフター「再びHappy Days

END「恋人宣言」のアフターストーリー。

灰谷に恋人がいるという誤解も解けて、晴れて灰谷の恋人になった沙紀。

住居兼診療所が入居しているビルの解体に伴い、立ち退きすることに。沙紀も物件探しを手伝うが、ヤクザへの関与が障害となり、良い物件はなかなか見つからない。そこで、沙紀は「虎桜組」の屋敷の一角を貸すと提案するが……。

 

 

アナザーストーリー

本編の共通ルートから派生したストーリー。沙紀が誰とも恋愛関係に陥っていないifルートである。

喧嘩した那由多と朝生。組を出た朝生は、組の銀行口座を差し押さえる。「虎桜組」は困窮し、電気代すら払えない状況に追い込まれてしまう。その上、マンションから追い出され、お腹を空かして道に倒れていた武藤一郎を拾ってしまう。このままでは、沙紀、組員たち、武藤の生活が立ち行かない。

朝生と仲直りしなければ。朝生と親しい灰谷に連絡すると、彼は過労で倒れて入院中だという。沙紀は灰谷を頼って、朝生の入院先へ向かうが……。

 

ヤクザの組員たちがバイトして糊口をしのぐ清貧コメディ。

バイト代が支払われるまで無収入のため、手分けして食べられるものを探す場面では、部外者である灰谷も食べ物探しに参加する。相変わらず困っている人を見捨てられない性格なのだ。灰谷は山に自生している山菜を採ろうと籠を用意する。

 

GOODENDは二種類。

 

GOODEND「わかりにくいけど大好き」

灰谷の病院には、幼い子どもが入院している。灰谷はその患者の退院祝いにぬいぐるみを作るという。沙紀は灰谷と一緒に材料を買いに行く。

「いつもと格好が違うな」

「……似合ってる」

沙紀の私服を褒める灰谷。

灰谷を意識し始めた沙紀は、これまで以上に身なりを気にするようになる。

ところが、体重計で計ると体重が3キロも増加していた。その上、灰谷に「最近血色がよくなったな」と声をかけられてしまい、大ショック。痩せるまで灰谷に会わないことを決意する。

事情を知らない灰谷は、沙紀が自分を避けていると思い込むが……。

 

GOODEND「先生はナース服がお好き」

灰谷の部屋でナース服を見つけた沙紀。灰谷をからかっているうちに、灰谷の本心が明らかになる。

「俺がお前を好きではおかしいか?」

 

 

 

年上の男性との恋を描く灰谷ルート。

灰谷仁はメインキャラクターではないため(劇中では「長髪はサブキャラ」というメタ発言もある)、本編のストーリーは短め。那由多の裏切りの理由や灰谷の恩人の死の理由は明かされず、あくまでメインルートから外れたサブルートに徹している。

続編『恋恋三昧』はコメディに振り切った内容で、ヤクザ関連のエピソードは少ないが、女子高生らしい等身大の恋が描かれる。