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ゲーム『Under The Moon』感想

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魔王の一人娘であるアーシェは、魔王の城から出たことがない、純粋培養の女の子。ある日、城が次期魔王の座を狙う徒党に襲撃され、アーシェは逃げ込んだ森で人間界に通じる穴に落ちてしまう。人間界には、魔王候補の双子の兄弟、レニとセイジュが暮らしていた。魔界への帰還が叶わないアーシェは双子の家に身を寄せるが……。

シュガービーンズより2006年12月15日発売。『Love☆Drops~みらくる同居物語~』に続く、魔界シリーズ第二弾。

現代日本を舞台に、世間知らずの魔族の姫と人外の者たちの恋を描く18禁乙女ゲーム

 

魔界を司る魔王は、自身の魔力が弱まった事実を鑑みて、世代交代を宣言した。しかし、魔王の娘であるアーシェ(演:風音)は、魔力が不十分なために継承権を得られない。アーシェの代わりに選出された後継者候補を魔界へ招聘しようとした矢先、城が次期魔王の座を狙う徒党の襲撃を受ける。アーシェは使い魔のケット・シーであるカイル(演:吉田愛理〈猫型〉、萩道彦〈人間型〉)と共に城を脱出するが、森で人間界に通じる穴に落下してしまう。

 

人間界でアーシェが出会ったのは、双子の兄弟、レニ(演:杉崎和哉)とセイジュ(演:浅野要二)。奇しくも魔王候補の二人だった。

父王と魔界を救うため、二人に「魔界に戻ってほしい」と願うアーシェだが、レニもセイジュも首を縦に振らない。

時を同じくして、魔界と人間界を繋ぐ門が閉ざされてしまい、アーシェは魔界に帰れなくなってしまった。

 

魔界に戻る日まで、アーシェとカイルは双子の家に身を寄せることに。さらに、双子が在籍する学校に入学するが……。

 


プレイ順はレニ→天宮瀬名。

 

 

①レニ(演:杉崎和哉)

魔族。魔王候補のひとりで双子の兄。漆黒の髪と青い瞳を持つ。

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アーシェに対して冷たく当たるが、時折優しさも見せるレニ。彼の正体は、アーシェの昔の恋人だった。

 

かつて魔界で暮らしていたレニとセイジュ兄弟。レニは魔王の愛娘であるアーシェと恋に落ちるが、父王の逆鱗に触れて、魔界から追放された。人間界に堕ちてもなおレニはアーシェを想い続けていたが、アーシェは双子に関する記憶を封じられていた。

欠落した記憶を埋め合わせるように、体を繋げるアーシェとレニ。

二人は魔界に帰還し、レニは魔王、アーシェは魔王の妃に就任する。

 

なお、レニルートのアーシェは同ブランドより2008年に発売された『いじわるMyMaster』に再登場する。

 

 

②天宮瀬名(演:空野太陽)

天使。アーシェの同級生。茶色の髪と琥珀色の瞳を持つ。

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純真な魔族アーシェと悪辣な天使瀬名。二人の対比に瞠目するルート。

 

転校生のアーシェに親しく話し掛ける瀬名。彼に心を許したアーシェは、求められるままに教会で結婚式の真似事をする。しかし、その戯れは瀬名の策略だった。

 

瀬名の正体は修道女と天使の間に生まれた半天使。修道女である母親は触媒の力を有し、その力を欲する天使たちに抱かれていた。母親の特殊能力を受け継いだ瀬名は、キスをすることで触媒の役目を果たす。さらに、キスをした相手の能力を引き出し、同化する力があった。その能力に目を付けた天使から次々にキスを受け、母親と同じく天使たちの慰み者となった瀬名だったが、諸刃の剣の能力のために危険人物と見なされて昇級は許されなかった。瀬名は魔王の娘であるアーシェを捕獲し、天界での地位を固めようと画策する。

 

愛憎ルートの瀬名は、アーシェにキスの儀式を行い、同化する。

功績を認められた瀬名はアーシェを連れて天界へ帰還。アーシェは囚われの身となる。

「僕はもっと力をつけて、いつか天界を僕の物にする。そうしたら、君を天界の支配者の妻として迎えるよ」

いつの日か天界を掌中に入れると囁く瀬名。その声には母親と自身を弄んだ天界への復讐の萠芽が宿っていた。

 

純愛ルートの瀬名はキスの儀式を躊躇する。アーシェを利用するために近付いた瀬名だったが、敬虔な修道女であった母親と献身的なアーシェを重ね合わせるうちにいつしか好意を抱き始め、彼女を不幸に陥れる儀式を実行できなくなっていたのである。

天界は裏切り者の瀬名に裁きを下す。襲撃者の天使たちに応戦するアーシェと瀬名だったが、圧倒的な武力を前に敗れてしまう。

アーシェと瀬名は記憶を喪失し、天使と悪魔を知覚する能力も奪われる。普通の人間となった二人は、人間界の教会で暮らし始めるのだった。